日本には世界最古の伝承文化がある
日本では、古来から地域で引き継がれている衣食住に関わる文化。また、お祭りや玩具・昔話・民謡・わらべ唄などの民芸文化。茶道・華道・日本舞踊・三味線などの伝統的な文化を保護したり、継承し発展させるための施設などで、『伝承文化』という言葉が、現在よく使われているようです。
伝承文化ということを、特別なものと考えてこなかったのは、日本の社会や生活の中に、その要素が含まれているからかもしれません。
しかし現実的には、近年これまで当たり前に伝承されていたことが、若い世代に受け継がれなくなっていることがあげられます。
理由はさまざまにあるでしょうが、身近なものに関しては、日本は世界で最速の高齢化社会をむかえ、生活の智慧が伝承されにくくなっていることがあげられます。
また、伝統文化に関しては、国が保護しなくなったことや、伝承そのものには、時間と根気・修行が必要なこと。また、続けても食べていけないからという声もあります。
日本は、世界でも稀にみる高度な文明を持つ国と言われています。
それは、手先の器用さ、勤勉さもさることながら、その背景には物作りの中に、精神性を重んじていることがあげられます。五重塔などの左右対象の大きな建造物もさることながら、欠けた茶碗にも生命や美を見いだす。創作者の魂が込められる。こうして創造されたものは、国の宝(重要文化財)として残されようとしているものだけでなく、民芸品や生活必需品・生活の智慧に至るまで、すべてに『魂心』を込めてきた歴史がありました。
また、その歴史は世界中のどこよりも古く、世界4大文明と言われる場所から、さらに遡り縄文時代(今から一万二千年以上)にもなるのです。原始時代とはいえ、高度な文明があったことが、ここ最近の発掘や研究から証明されつつあります。
どこの国に行っても、自国の文化や歴史を誇りに思わない人はいないのです。しかし、日本は今まさに、その伝承文化されてきた本当に大切なもの、『精神性』を捨てようとしているのです。
文化を伝承するためには、理屈を優先する学問ではとうてい出来ません。伝承された文化と同じものを創造できる智慧や工夫。さらに、新しい物を生み出す人間性(霊性)が必要不可欠だからです。